ボブのメモランダム 10

液晶テレビがデカい
電気屋に70型なんてものが売っていた
そんなもん、どんな人が買ってどんな場所に置くのだろうか
一つだけ正しい事は、我が家では買えないし、我が家には置けもしない
 
画面にはここぞとばかりにド派手ムービーがデモられていた
なんともまぁ70型で見るブルーレイは凄いなぁとしばらく見ていたのだけれども
やはり映画は映画館で見るほど意味のあるものはない
 
 
“若者よ、
道に迷えば我が道を行け、映画を見るなら映画館へ行け” 
                         ボブ


 
ウェナウォズヤング(幼き頃)、映画館に映画を観に行く事は最大のイベントだった
何ヶ月も前から楽しみで楽しみで仕方がなかった
もう2週間も前になれば映画館に行く夢まで見てしまう始末だ
 
当時は映画館は繁華街にしかなく、街にお出掛けするという事も手伝って
映画を観に行く事はとんでもなくスペシャルな感じで溢れまくっていた
 
当然、子供だけで行く事は許可されていなかったため両親に連れられて行くのだが
その代わり公開日の一番最初の回に連れて行ってもらった
 
今と違って先売券的なものも座席指定もなかったので席は早い者勝ちだ
朝は4時だか5時だかに起きて車で連れて行ってもらう
一番最初の回と言っても、スタートは10時からとかなので、3時間くらい並ぶのだ
着いた時にはまだ映画館のビルの入り口すら開いてない事もあった
それでも同じような人たちはいて、一番になることはなかなか難しいことだった
 
中学生になってからはさすがに許可が下りたので、友人たちと並んだ
帰りのバスで騒ぎすぎて停留所じゃない場所で降ろされかけた事はいい思い出だ
 
ボブ少年にとって映画館に映画を観に行く事はそれはそれは特別な事だった
 
 
そして今、大人になってからは容易に映画を観にいく事ができるようになったが、残念な事がある
ネットで予約ができたり座席指定ができたりする事で(大変に便利でありがたいのですが)
公開日なのに満席じゃなかったり、なくてもいいけど並ぶ事がなくなったりした事だ
 
子供の頃とても楽しみでたまらなかったのとは何かが違ってしまった
僕の体が昔より大人になったからなのか
なんとなく寂しい
 
今でも忘れられない出来事がある
「スターウォーズ」を観に行った時の事だ
もちろん公開日に行ったので満員御礼で、今か今かと始まるのを席で待っていた
 
「A long time ago in a galaxy far, far away…」が終わったあと
メインテーマと共にタイトルがどーんと現れるおなじみにオープニングの時にそれは起こった
観客全員が拍手で始まりを祝ったのだ
涙こそ流さなかったものの、とんでもなく感動したのを覚えている
(その数年後、続編で同じ事をしたが誰も付いてきてくれなかった事を忘れずに記したい)

 
最近はもっぱらそんな事もなく、ノスタルジーに浸り、切なささえ感じる映画館ライフだったが
先月とある映画を観に行った際、久しぶりにあの「映画館に映画を観にきた感じ」が蘇った
ほぼ満席の館内、そこにいたお客さんはみんな公開日が待ち遠しくて堪らなかった人たちだ
 
ああ、そうだ、あの時の映画館はこんな感じだったなぁ

映画館は今も何も変わらないのだ、切なくなんてなかったのだ
 
 
だからやはり映画は映画館で観るのが一番なのだ!
 
 
 
映画は映画館で観ろ!というごく一般的かつ当たり前な事を延々と書いてきた私だが
実は小学校の頃から映画監督になることが夢である(もちろん今も)
 
先日、友人がTHE ROB CARLTONのホームページからメールを送ってきてくれた
10数年振りだったのに私が映画監督になりたい事を覚えていてくれた
なんとも嬉しい話じゃないか!!
 
けれどもまだその夢は夢のままでいる
弁護士は資格がないと名乗れないが、映画監督は映画を監督すれば名乗れるはず!
というわけでとりあえず映画を撮ってみたりしようと思う
とりあえず撮ったところで夢が叶う訳ではないが、今よりは近づくかもしれないし
何事もやらないよりはやった方がいいのだ、多分
 
そしていつかみんなが公開日を待ち遠しくて
映画館に行きたくなるような映画を作れたらいいなと思っている
 
 
 

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